第2回目ケーキ屋パフォーマンスを終えて!

前回の緊張はまるでなく、かなりリラックス気分でお店に向かえた。
オーナーさんは不在だったが、梅干し屋のおじさんと前回不在だった若い男の店員さんがいた。彼は挨拶に行っていたときによく話を聞いてくれていた人である。その人に、前回はどうだったかと聞かれ「足は止めてくれない」という話をすると、「月曜だからだよ〜」と言われた。その後、中杉通り側の黒板に書いたら〜と言ってくれ、お店の壁に付いている黒板に「ダンスパフォーマンスやってます!」と書かせてくるた。
試食のシフォンケーキはこの前は沢山切ってもらったが、使いきれなくて悪かったと思ったので、今回は少なくていいのでとお願いした。4時開始の予定なのにぎりぎりに付いてしまった上に、忙しそうで試食に手が回っていないようで30分程たってしまった。しかし悪くて言い出せずにいると、梅干し屋のおじさんから「もっと図太くいかなきゃ!」とダメ出し!まあまた準備には手間取ったがなんとかパフォーマンス開始!
始めようとしたのだが、自転車を押したおばさんがお店のケーキに興味津々で私たちに話し掛けてきてしまう。まず、無言が絶対だし、場所が取られてしまっていたので、その人がいなくなってから始めた。
音をかけると、梅干しおじさんが「もっと大きく!」と。なんでこんなに親身になってくれるのだろう!
とにかく開始。まずはオープニング試食ダンス。前回程の緊張はないが、ダンスしりとりがどうなるのか不安だった。最初は恐る恐るだったが、徐々にリラックスしていき楽しくなってきた。もう規則を付けたしりとりではなくなっていたが、その決まりがなくても自然に動きで会話が出来ていた。通行人の量も多かったので、「見てみて!」といった感じで合図をしてみたり、道の中程まで言って待っているのではなく積極的に試食を勧めていった。食べてくれた大抵の人は「これ何?」と質問してくるが、喋れないので店頭に並んでいる商品を指差したりした。もちろん伝わるが、きっと喋れない人だと思われていただろう。だからといって態度が変わるわけでもないし、むしろ私とその人がゆっくりした関係になって楽しく感じた。
また食べない人もいる。無視をするのではなく、顔を見ないで笑顔で会釈で通り過ぎていく。そのような人たちは確かに私たちを恐がっているようで残念だったが、その気持ちはよく分かる。自分だって、もし何かを振られたら、またはネタにされたら嫌と思うと関わりたくない。ただ食べてくれる人よりも、私たちのことを意識し過ぎか自意識過剰または自己防衛が強いのであろうと思う。
お店の前に張り付いて試食を配っていたときと違い、一度定位置を離れると解放が溶けたように気が大きくなり、遊べる。前の居酒屋の店員がお店の前を掃除していたので、絡んでみた。同い年くらいの女の人で、初めは全く気付いていたかったが、気が付くとさほど驚くわけでもなかった。たぶん店内から店員たちが見ていたので、その一人であったろうし前回があるから驚きはしなかったのだろう。試食を見せると「くれるんですか?」と、バイト中の言葉遣いで対応してくれた。内心めんどくさい、気持ち悪いと思われたかもしれないが、私としてはただ配っているのと違う試みが出来たので、この絡みは成功だった。
私たちの動きで場が少し盛り上がったというか賑わった感じがした。が、人の波が減り、お店の前でまた地味な動きをしながら商店街を見回したが、時間を持て余してしまったので2曲でオープニング試食ダンスは止めた。だから予定していた人が試食に寄っているときにケーキの箱を見せるという計画は出来なかった。
本編ダンス開始。ダンスを始めたときはちょうど人が少ないときだったので、もう少し待てばよかったと後悔したが仕方がない。見てもらえるように頑張ろうと思った。気付くと、梅干しおじさんは前のお店の方にいき見てくれている。しかも、私たちの後ろには店員さんたちが並んでくれていた。頼んだわけではないから、すごく嬉しくて元気が出た。恥ずかしさも全くなくなっていたので、遊びながら出来た。前回よりは踊っているときに、人の顔を見れたし、その人にアピールした動きをしたりも出来た。ずっとではないが、少し足を止めて見てくれる人が数人いたように思う。また前回よりもダンス最中の人の流れが多いときがあったので、がやがやしている時間があった。
子供を連れている若いお母さんが「あらっ可愛い〜」と言いながら通りすぎっていったのを、はっきり覚えている。別に止まって見てくれなくても、好印象なものとして人々に捕らえてもらえたら、やっている方は幸せになれるのだと感じた。その言葉に深い意味などなくても、「ただ楽しい」と思ってもらえれば満足である。ただ、それはやはり態度に出してもらわないとこちらには伝わらないから、素通りしている人の本当の感想が聞いてみたいと思った。もしかしたら、「今日踊っている人がいてね〜」と言われているのかもしれないから。
自分のテンションが上がっていくと、見ながら歩いていく人に絡みたくて仕方がなくなってきた。中学生の女の子たちが、見たいけどそうする自分が恥ずかしいという態度で歩いていくので、何をしたかは覚えていないがアピールをした。すると、照れながらも笑顔になってくれた。その反応が返ってくるとこちらが嬉しくなるので、自然に笑みがこぼれる。そうするとまた他の人とやりとりがしたいと思い、人を熱心に見るようになる。
前回の経験で、自分が思い描いたようには人は集まらないし、今の私に出来るのはここまでなんだと割り切れていた。だから、気持ちも楽で、この状況を楽しもうとなんでも出来た。
だから、私たちに気付いてすらいなそうなおばあちゃんに一方的に絡んでみたりもした。行ってしまう背中を追うようなリアクションで。自分が楽しいだけで、その光景を見ている人からしたら滑稽で面白いかもしれないし、もしくは勝手に人をいじって不愉快!と思われているかもしれないし。または自分ではやっているつもりでも、人に伝わるほどのアクションになっていないかもしれない。
エンディング試食ダンスはダンスが終わって、間髪入れずに声を出したかったのだから、急に緊張してしまい間を作ってしまった。気持ちの悪い間だった。ダンスが終わってしまうと、試食を熱心にする気が起きなくなってしまい、ただの試食のお姉さんだった。もらってくれる人もいたが、オープニングのように客と自分との間に不思議な空間が作れたわけでもなく、ちょっと声が大きくて熱心な店員と客の関係でしかなかった気がする。人が集まる気配もなかったため、途中で曲を切って終わりにした。
今回の全体の感想は前回よりはよかったである。止まって見てくれる人も増えたし、見ながら通って行く人も多かったように思う。また、「可愛い」「楽しそうね」などの声が届いたこともあった。自分がリラックスして出来て楽しんでいたから、軽く見てくれる人が増えたのか、それとも自分がプラス思考な感想を持てるだけなのかは分からないが、気分よく終えられてよかった。梅干しおじさんは終わった後、「なんで止まって見ないかね!だから俺向こう行ってみたんだけど」と少し怒っているように、私たち側からの感想を言ってくれた。「頑張ってね」とも言ってくれた。また他の店員さんたちは「次はいつやるの?いつでもどうぞ」と言ってくれた。一番の収穫はこのお店の人たちは優しい!と分かったことことかもしれない。
とりあえず、覚えているのはこれくらいなので、今度は今回のビデオを見て、客観的に考えてみたいと思う。